こだま通信 Vol.33 2004年1月号 3P(芝生の種類と張り方)

暖地型芝寒地型芝

芝生の種類と
張り方

暖地型芝
(夏芝)

寒地型芝
(冬芝)
暖地型芝は温暖な気候が最も芝生の生育に適しており、日本の冬は落葉して芝生が冬枯れします
・高麗芝(日本芝)
・姫高麗芝(日本芝)
.バミューダグラス(西洋芝)など
寒冷な気候が芝生の生育に適する芝で、暖地型芝と比べると逆に高温多湿に弱く、夏枯れを起こしてしまう場合もあります。
・ペレニアル・ライグラス(西洋芝)
.ケンタッキーブルーグラス(西洋芝)
.トールフェスタ(西洋芝)など

※日本芝、西洋芝という分類は
産地によるものです。
日本シバは日本在来の芝です。
一方の西洋芝は欧米で
育てられているものを
日本へ持ち込んだものを
呼びます。


●日本芝

●西洋芝
野芝(ノシバ)
日本に野生する芝の種類で、葉の幅がやや広めです。全国的に
自生しており土壌も選ばず丈夫ですが、芝の密度が粗く、庭に
野芝の芝生を張っている方は少ないかと思います。ゴルフ場で
もラフで目につく程度です。丈夫であるため国立競技場でも設
立当初(1958年)は野芝を使っていたこともあります。
高麗芝(コウライシバ)
日本芝でもっともポピュラーな品種で、ノシバと比べると密度
も細かく美しい芝生をつくります。一般の家庭でこれまで張ら
れてきた芝生と言えばまず高麗芝と考えて間違いありません。
東北より南なら充分に育てることが可能です。ゴルフ場でも最
もよく使われています。根が強くボールが打ちやすい代わりに
グリーンでは芝目が強くでます。
姫高麗芝(ヒメコウライシバ)
高麗芝の中でも葉の幅が細いものを言い、高麗芝と比べると葉
が柔らかく繊細です。葉の密度も濃く、うまく生育できれば非
常に美しい芝生をつくることができます。しかし高麗芝と比べ
ると葉が細いため成長が早く、逆に踏み圧などには弱くなって
おり、生育は野芝、高麗芝、姫高麗芝の順で難しくなります。
ホームセンターには高麗芝とともに姫高麗芝を置いてある所も
あり、どちらにするか選択に迷う方も多いのではないかと思い
ます。簡単に言えば、見た目の綺麗さや芝生の上に座ったとき
の感触を取るか、それとも踏み圧に対する強さや育てやすさの
どちらを取るかということになります。ゴルフ場ではグリーン
に使用されることもあります。葉が細くやわらいため、伸びた
ラフなどは非常に打ちづらいのと、グリーンではボールが早く
て目の影響を受けやすくなります。
ビロード芝
この芝はかなり珍しい部類に入り、一般の家庭でこれを庭に張
っているおうちは少ないと思います。というのも姫高麗芝以上
に葉が細く柔らかいため踏み圧には非常に弱く、他の芝を見慣
れていると綺麗というのを通り越して少々病的な感じさえして
しまうからです。本で見たことがあるのみです。
ペレニアル・ライグラス
西洋芝で最も目にする芝かもしれません。サッカー場などのフ
ィールドで目にすることが多いからです。ペレニアル・ライグ
ラスは摩擦に強く、また回復も早いためにスポーツ競技特にサ
ッカーなどに最適な西洋芝ということができます。また刈り込
みの時に芝が倒れやすいという特徴があります。このため、刈
り込みの方向を互い違いにすることによって、競技場にストラ
イプ模様を作ることが出来ます。寒地型の西洋芝で耐暑性はあ
まり強くありません。関東よりも西にあたる地方では夏越しを
させるのは非常に大変です。他に難点としては生育が早く刈り
込みが必要なこと、シバツトガに弱いということがあげられま
す。ツトガ対策については、エンドファイトと言ってバクテリ
アの遺伝子を入れて耐病性を高くした改良品種もあるようです
ケンタッキーブルーグラス
美しい西洋芝です。緑が濃いのが特徴で人気があります。寒地
型の西洋芝としては耐暑性がある方ですが、地域によっては夏
越しさせることはやはり難しいでしょう。刈り込みの高さは2
0mm以上が一般的で低刈りには適しません。種を播いた後の
生育は遅いようですが、いったんターフができあがってしまう
と回復力は強く、刈り込みの回数もそんなに多くなくて済むと
いう家庭用の芝としてのメリットをたくさん備えています。
トールフェスク
元々は牧草であったものに品種改良を加えて作った西洋芝です
。どちらかというと粗野な感じで、美しい芝生の庭をつくると
いう目的にはあまり適していません。しかし逆に、耐暑性に富
み、日陰でも育ちやすい、肥料や水の管理にあまり気を遣わな
くても良い、刈り込みもそれほど多く必要ないなど、管理のラ
クチンな西洋芝です。ゴルフ場ではラフに、また一般道路の法
面に使われていることの多い西洋芝です。

芝生の張り方

芝刈り
(1)肥料をまく
まず、床土に「芝生の肥料」をまきます。※「芝生の肥料」は1坪にひとつまみが目安です。

(2)土をならす
まいた肥料を「レーキ」で床土に混ぜ込むようにならし、踏み固めて平らにします。
※まず「レーキ」の歯の部分で肥料を混ぜ込み、次に背の部分でならし、最後に横歩きをして踏み固める。

(3)芝苗を並べて踏みならす
メジ幅をとりながら「芝苗」を並べていきます。並べ終えたら軽く踏みつけ、床土になじませましょう。

(4)目土を入れる
メジの部分に「芝生の目土」を入れてならし、芝生表面の凹凸も平らにします。

(5)霧状の水をたっぷりまく
霧状の水を芝生全体にたっぷりとまきましょう。
注)新芽が生え揃うまでは、なるべく立ち入らないようにしましょう。
芝が約3〜4cmまで伸びたら、半分くらいの高さまで刈り込みます。あまり低く刈り込むと芝生は茎だけになって弱るので注意しましょう。芝刈り機で刈りにくい部分は両手バサミやハンディ・バリカンで刈り込みます。トラ刈りになったところはもう一度刈り直します。刈りカスは竹ボウキやレーキで集めて処分します。夏は月4回、春と秋は月2〜4回位刈り込みます。
※芝生の張り方もいくつかあります。ベタ張りはすぐに美しい芝生が楽しめますが、市松張りは半分の芝生で済みますが、キレイにそろうまで1年以上かかります。


※右写真はVOL.33の3pの本刷りのものを写真化したものです。→

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