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2022.10.1

【 視覚効果 】

こんにちは。井上です。

外観のデザインを考えるときの一つとして、軒の出があります。
近年の傾向として、土地の大きさやデザイン、コスト面、外壁、屋根材の進化により
軒のが浅い、軒ゼロの建物が増えています。

軒があると昔の家の古いイメージがある、モダンにならない、と感じている方、
そんな事はありません。
フランク・ロイド・ライトが手掛けた軒が深い建物もモダニズム建築の一つです。

軒が深い建物は利点もあります。
軒や庇というは四季があり、雨が多い日本の気候風土に合わせ、
木造の家を守るために作られた、日本の先人たちの知恵です。
雨だけではなく直射日光や紫外線からも守ってくれるので、
外壁の劣化、室内の温度上昇を抑える、遅らせるなどのメリットもあります。

自然から建物を守るメリットは大きいのですが、設計という仕事をしていると、
気になるのがデザインやディティール。やはり切っても切れないところです。

よくあるのが、軒裏に木を張る。もう王道ですよね。その他に塗装、化粧垂木などありますが、
軒裏をデザインするだけでなくもう一工夫するだけでまた変わってきます。
工夫というのが、窓の上の下がり壁を無くし、軒裏と天井の高さを揃え窓を介して繋がって見えるようにします。
そうすることで中と外を繋ぐあいまいな空間が出来上がり、広さを感じる視覚効果を得ます。
そこにもう一工夫。軒と天井の材料や色を揃えるなどをすると更に緩やかに繋がって見えます。

視覚効果を考えながら、限られた空間を作っていくのは建築の楽しい部分でもありますね。
皆さんの暮らしを豊かにできるような、そんなご提案ができるよう毎日切磋琢磨しています。

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